知恩寺(not知恩院)にて、恒例の古本まつりが開催されている。そこで購入した雑誌がこれ。

「The CARD」の1968年9月1日号。冗談でも何でもなく、私はまだ生まれていない。
表紙がカワイイ。私好み。100円でジャケ買い。で、私は「かわいいグリーティングカードの作り方」みたいな雑誌を想像していたのだが、全然違っていて、DCカードの雑誌なのである。これが創刊号。値段も何も書かれていないところを見ると、カード会員に送られる雑誌だったのかもしれない。
DCカードは、このときまだ5ヶ月。カードを持っているだけで使ったことがなく、使い方を知らない人も多かったらしい。ていうか、時代を考えてみれば、カードを持っていること自体がすごいのではないだろうか。私なんか親に「どんなことがあってもカードだけは持ってはいけない」と言われて育った。
そこでこの雑誌では、カードの使い方を説明している。これがなかなかおもしろい。
(1)まず代金がきまりましたら現金を出すのと全く同様にDCカードをお出しください。 「DCでお願いね」
あなたはカードを持つことのできる信用のある方です。当然、店員の応対は丁重です。
(2)店員はカードを見てDCの売上票とボールペンをあなたの前に持って来ます。「こゝにサインをお願いします」
(3)あなたは売上票の所定欄にサラサラとサインすればすべて完了です。もちろんカードのサインと違ってはいけません。
(4)店員はお買上げの品物を渡すのと同時にお手控となるお買上票(ピンク色)を渡してくれます。「ありがとうございました」
お客様側の視点で書かれているからかもしれないが、店員がダメダメである。どこが丁重やねんと言いたくなる。まともな販売員なら「こちらにサインをお願いいたします」「ありがとうございます。またお越しくださいませ」ぐらいは言いたいところ。そして、品物と同時にお買上票を渡すのはどうなのか。まずカードのお返しと同時にお買上票をお渡しして、それから品物をお渡しするのではないだろうか。
そして、お客様視点で見た場合に最悪なのが、サインをする際に金額を確認するよう促していない点である。まあ、カード処理自体が多くなかったから、店員が金額を間違えるケースなど想定できなかったのかもしれない。お支払い回数の確認もないが、まだボーナス払いとかはできなかったのだろうか。
そして、この雑誌には、現在では考えられないようなコーナーがある。DCカードをお持ちの会員さんを訪問しているのだ。いや、訪問記事ぐらいなら今でも有り得るのかもしれないが、顔と名前と年齢ぐらいは分かるにしても、住所が番地までバッチリ載っているし、なんとカード番号まで載っているではないか。いいのかそんなことで。八幡製鉄(古いな)にお勤めの独身男性が「カード番号123456で縁起がいいので使うのが楽しみ」と悠長に語っておられるが、現在では有り得ない。
でも、当時はカードを持つことのできる人は「信用のある方」だったのだ。カード雑誌を読む人に悪い人はいないと考えられていたのかもしれない。カード犯罪もなければ、カード破産もなかった。そんな、幸せな、時代。
最近のコメント